花粉症の治療
花粉症・アレルギー性鼻炎
大垣市・西濃地域で花粉症にお困りの方へ
大垣市・西濃地域では、春のスギ・ヒノキ花粉症で受診される方が多くみられます。
例年、スギ花粉は2月中旬頃から飛び始め、3月に症状が強くなりやすい時期を迎えます。
その後、ヒノキ花粉の影響が強くなり、4月を中心に症状が出やすくなります。ヒノキ花粉に反応がある方では、ゴールデンウィーク頃まで鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみが続くこともあります。
また、大垣市周辺では、春のスギ・ヒノキだけでなく、初夏から秋にかけてのイネ科花粉にも注意が必要です。田畑、河川敷、道路沿い、公園などに生える草の花粉で症状が出る方もいます。
花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみだけでなく、睡眠の質の低下、日中の眠気、集中力の低下につながることがあります。
特にお子さんや学生さんでは、勉強、部活動、受験期の体調管理にも影響することがあります。
当院で行う花粉症治療
花粉症の治療には、大きく分けて、症状を抑える治療と、舌下免疫療法(アレルギー症状を根本的に軽くすることを目指す治療)があります。
当院では、症状の程度、年齢、生活スタイル、眠気の出やすさ、鼻づまりの強さなどを確認しながら、患者さんに合った治療を提案しています。
症状を抑える治療
花粉症治療の基本は、抗ヒスタミン薬を中心とした内服薬、点鼻薬、点眼薬などを用いて、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみを抑える治療です。
抗ヒスタミン薬には多くの種類があり、効果の出方や眠気の出やすさには個人差があります。ある薬で十分な効果が出ない場合や、眠気が気になる場合でも、別の薬に変更することで症状が改善したり、生活への影響を減らせることがあります。
「花粉症の薬はどれも同じ」ではなく、症状や体質、生活スタイルに合わせて薬を調整していくことが大切です。
当院では、鼻水・くしゃみが強い方、鼻づまりが強い方、眠気を避けたい方、仕事や運転への影響が心配な方など、それぞれの状況に応じて治療を考えます。
鼻づまりが強い方では、点鼻ステロイド薬などを組み合わせることで症状が改善しやすくなる場合があります。目のかゆみが強い方には、点眼薬も併用します。
毎年症状が強く出る方では、花粉が本格的に飛び始める前、または症状が軽いうちから治療を始める「初期治療」を行うことで、シーズン中の症状を軽くできる場合があります。
舌下免疫療法
当院では、スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対して、舌下免疫療法を行っています。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質を少量ずつ体に取り入れ、体を慣らしていく治療です。通常の内服薬や点鼻薬のように症状を一時的に抑えるだけでなく、アレルギー症状を根本的に軽くすることを目指します。
治療がうまくいくと、花粉シーズンの症状が軽くなる、使用する薬を減らせる、毎年の花粉症シーズンを過ごしやすくなることが期待できます。
現在、保険診療で行える舌下免疫療法は、主に以下の2種類です。
・スギ花粉症に対する舌下免疫療法
・ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法
治療を開始する前には、アレルギー血液検査で原因を確認し、舌下免疫療法の適応があるかを判断します。初回は院内で服用し、副反応がないか確認します。その後は、ご自宅で毎日薬を服用しながら、定期的に通院して治療を続けます。
舌下免疫療法が向いている方
舌下免疫療法は、特に次のような方に向いている治療です。
・毎年、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の症状がつらい方
・内服薬や点鼻薬で十分に症状が改善しない方
・薬を飲むと眠気が出やすい方
・花粉症やアレルギー性鼻炎を、長期的に軽くしていきたい方
・花粉症そのものを根本的に改善する治療に関心がある方
・将来の受験期や進学後の生活を見据えて、早めに花粉症対策を考えたいお子さん
一方で、舌下免疫療法はすべての方に必要な治療ではありません。症状の程度、アレルギー検査の結果、年齢、生活スタイル、毎日の服薬を続けられるかなどを確認したうえで、治療が適しているかを相談して決めていきます。
小児・学生さんの花粉症には、早めの相談をおすすめしています
当院では、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎でお困りのお子さん・学生さんには、舌下免疫療法を早めに検討することをおすすめしています。
花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみだけの病気ではありません。鼻づまりによって睡眠の質が低下したり、日中の眠気、集中力の低下、勉強や部活動への影響につながることがあります。
特に、スギ花粉症の時期は受験や定期試験の時期と重なります。毎年この時期に症状が強く出るお子さんでは、受験期になってから薬で抑えるだけでなく、早い段階から花粉症そのものを軽くしていく治療を考えることが大切です。
舌下免疫療法は、効果が出るまでに時間がかかる治療です。そのため、受験期や進学後の生活を見据える場合には、症状が強くなってからではなく、余裕をもって治療について相談することをおすすめします。
また、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法は、適応があれば保険診療で行うことができます。大垣市の子ども医療費助成の対象となるお子さんでは、保険診療分の自己負担が助成されるため、窓口負担なく治療を受けられる場合があります。
そのため、毎年花粉症でつらいお子さん、内服薬や点鼻薬で十分に改善しないお子さん、眠気の出る薬をできるだけ避けたいお子さん、将来の受験期に向けて花粉症対策を考えたいお子さんには、助成対象となる年齢のうちに一度相談していただく価値がある治療だと考えています。
舌下免疫療法の注意点
舌下免疫療法は、長く続ける必要がある治療です。十分な効果を得るためには、一般的に3年以上の継続がすすめられます。
また、症状がない時期も毎日薬を服用する必要があります。花粉が飛んでいない時期でも治療を続けることで、体を少しずつ慣らしていきます。
副反応として、口の中のかゆみ、違和感、のどの違和感、耳のかゆみなどが出ることがあります。多くは軽い症状ですが、まれに強いアレルギー症状が出ることもあるため、初回は院内で服用し、状態を確認します。
スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉が多く飛んでいる時期には開始できません。通常は、スギ花粉の飛散が落ち着いた時期から開始します。
ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法は、症状や検査結果を確認したうえで、時期を問わず開始を検討できます。
重症のスギ花粉症に対する注射治療
重症のスギ花粉症で、通常の内服薬、点鼻薬、点眼薬などを使用しても症状が十分に抑えられない方には、ゾレア皮下注射という治療を検討できる場合があります。
ゾレアは、アレルギー反応に関わるIgEという抗体に作用する薬です。スギ花粉症に対しては、一定の条件を満たす重症または最重症の方が対象となります。
治療を行うには、症状の程度を確認したうえで、血液検査により総IgE値やスギ花粉に対するアレルギーの程度を確認する必要があります。また、検査結果と体重に基づいて投与量や投与間隔を決めます。
ゾレアは保険適用のある治療ですが、バイオ医薬品であり、通常の花粉症治療薬と比べて薬剤費が高額です。3割負担の方では、薬剤費だけで1回あたり数千円から数万円程度の自己負担がかかります。投与量によっては、1回あたり5万円以上となる場合もあります。
実際の費用は、体重や総IgE値によって決まる投与量・投与間隔により異なります。また、薬剤費のほかに、診察料、検査料、処方料などが別途かかります。
そのため、ゾレアは「花粉症だから気軽に注射をする」という治療ではなく、通常治療を行っても症状が強く残る重症の方に対して、費用面も含めて慎重に検討する治療です。
当院ではゾレア治療にも対応していますが、適応となる方は限られます。まずは抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬などによる通常治療を適切に行い、必要に応じて舌下免疫療法などの長期的な治療も含めて相談します。
特に、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎を長期的に軽くしていくことを目指す場合には、適応があれば舌下免疫療法を優先して検討することをおすすめしています。
ゾレア治療をご希望の場合でも、診察当日にすぐ注射を開始することはできません。事前に採血を行い、投与量と費用の目安を確認したうえで、薬剤を準備するため予約制で行っています。
ステロイドの筋肉注射について
以前は花粉症に対して、いわゆる「一回で効く注射」としてステロイドの筋肉注射が行われることもありました。
しかし、ステロイドの筋肉注射は全身性副作用のリスクがあるため、当院では花粉症治療としてステロイドの筋肉注射は行っていません。
花粉症の注射治療をご希望の方には、まず現在の症状、これまでの治療内容、アレルギー検査結果を確認し、必要に応じてゾレア治療の適応を判断します。
ただし、ゾレアは重症のスギ花粉症に対する高額な治療であり、すべての方にすすめる治療ではありません。
長期的に花粉症そのものを軽くしていくことを目指す場合には、適応があれば、まず舌下免疫療法を検討することをおすすめしています。
長引く鼻水・鼻づまりについて
花粉症と思っていても、鼻水や鼻づまりが長引く場合には、副鼻腔炎を合併していることがあります。
黄色い鼻水が続く、鼻づまりが強い、においがわかりにくい、咳や痰が長引く、顔の重い感じがある場合には、花粉症以外の病気が隠れていることもあります。
治りにくい鼻水・鼻づまり、毎年つらい花粉症、舌下免疫療法や重症花粉症の治療について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
よくある質問
花粉症の薬はどれが一番効きますか?
花粉症の薬の効き方には個人差があります。抗ヒスタミン薬だけでも多くの種類があり、効果の出方や眠気の出やすさは人によって異なります。
「以前の薬が効かなかった」「眠気が強くて困った」という方でも、薬を変更したり、点鼻薬や点眼薬を組み合わせることで症状が改善することがあります。
花粉症の治療はいつから始めるとよいですか?
毎年症状が強い方は、花粉が本格的に飛び始める前、または症状が軽いうちから治療を始めることをおすすめします。
大垣市・西濃地域では、スギ花粉は例年2月中旬頃から飛び始めます。毎年つらい症状が出る方は、1月下旬から2月上旬頃に一度相談しておくと安心です。
舌下免疫療法はすぐ効きますか?
舌下免疫療法は、すぐに症状を止める治療ではありません。毎日薬を続けながら、体を少しずつ慣らしていく治療です。
効果を十分に得るためには、一般的に3年以上の継続がすすめられます。受験期や進学後の生活を見据える場合には、早めに相談することをおすすめしています。
子どもでも舌下免疫療法はできますか?
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎があり、治療の適応がある場合には、お子さんでも舌下免疫療法を検討できます。
ただし、毎日薬を続ける必要があるため、年齢だけでなく、本人とご家族が治療内容を理解して継続できるかも大切です。
ゾレア注射は誰でも受けられますか?
ゾレアは、重症または最重症のスギ花粉症で、通常の内服薬、点鼻薬、点眼薬などでも症状が十分に抑えられない方に検討する治療です。
血液検査の結果、体重、症状の程度によって適応や投与量が決まるため、すべての方が対象になるわけではありません。高額な治療でもあるため、費用面も含めて相談しながら判断します。
ステロイドの筋肉注射はできますか?
当院では、花粉症治療としてステロイドの筋肉注射は行っていません。
一時的に症状が軽くなることはありますが、全身性副作用のリスクがあるため、当院では抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬、舌下免疫療法、必要に応じたゾレア治療など、より安全性に配慮した治療を提案しています。

